すてきな言葉はホントはたくさん、あるのだけれど
使わない、知らない、死語。
そんな言葉があります。
言霊 (ことだまと読みます) |
ことばに想いを、時に、男女の愛の深い想いを託されていた頃の「言葉の役割?」 |
後朝の別れ (きぬぎぬのわかれ) |
女の元に通ってきていた男が未明に去る時、肌に衣(きぬ)を通し、愛し合っていた二人が衣をまとうことで別れの朝を迎えてしまう,かりそめの別れです。休憩時間制限の別れじゃありませんのよ。 |
未完 (みかん) |
終わらなきゃいけない恋に終止符を打つ。 その読点が句点になり、白い行間が饒舌に語る心の物語。 |
想い出 (おもいで) |
胸がつまる、言葉を失う陰翳。 にぎやかな楽曲のフレーズに絡みつく取り残された想い。 |
髪 (かみ) 2003.4.18 |
髪を切る、髪を染める。貴方に褒めてもらえるうれしさ。見せる日々が遠退いて、街角のショーウィンドウのガラスに視線を探す。 |
反芻 (はんすう) |
流れる時間の水面から生まれたシャボン玉がパチンと割れて思い出すことがある。 あの人も思い出すことがあるのだろうかと確かめてみたい一瞬。苦味の強い珈琲に似た味がする。 |
癒し (いやし) |
迎える終焉は別れであってはいけない。 やさしい雨が肩を濡らしながら、いつの間にか上がっている雨に似ている。やさしい雨は貴方だったと言わせられたら、「男合格」 |
封印 (ふういん) |
おとなの恋の終わり方の1種。 さよならでもなく、別れましょうでもない。 二人の時間を永遠に封じ込め色褪せないままする 保存の高度な技術。 お気に入りのワイングラス。 二つをそっと棚に戻す。 並んでいる、二人だけの時間が無数のカットで煌めいて。 |
十六夜 (いざよい) |
満月の次の日陰暦、十六の夜。この夜に出る月は満月よりもおそく、ためらうように出てきます。 その名は、「いざよいの月」。 貴方に逢いたい想いを月に託して、夜半に寝顔を撫でるような月影です。 |
躊躇 (ためらい) |
ささやかなタイムラグ。 貴方に愛されているから、愛を知らない老女のように愛になんか躓か(つまずか)ないわ と言うまでのほんの一瞬の躊躇い。 |
相聞歌
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神代の頃からある、和歌の恋のメール交換ですね。小野小町と深草少将(ふかくさのしょうしょう)とのやりとりは有名な逸話。 |
一期一会 |
あしたまたね、の今夜のさよならのくちづけが,二度と戻らない最後のくちづけになるかもしれない、取り戻すことのできない「今の出逢い」 |
別離 (わかれ) |
後悔しない出逢いと恋の結末。 |
言い訳 (いいわけ) |
夫は明日を見つめる相手、恋人は恋だけを見つめる相手、愛人は今だけを見つめる相手。 だから誰も裏切っていないと言い張る刹那の気持ちを言います。 |
予感 (よかん) |
出逢うつもりはないのに、出逢ったとたんに恋の予感があったように思える自己催眠。 恋の出逢いはパンプスのつま先にコツンと当たる小石のようなもの。 |
出逢い (であい) |
だあれも用意してくれていたわけじゃない。それでもなぜか神様が用意してくれていたとしか思えないあなたとの「衝突」。 |
浮気 (うわき) |
どれほど純化しても、正当とは云ってもらえない恋の1種。不倫といわれることも多いが、当世流行のW不倫。ハイリクス&ノーリターンには違いなし。 |
再会 (さいかい) |
もう2度と離れられないって思いこませる神様の悪戯。 |
未練 (みれん) |
涙があふれてとまらない想い。 えいっやっ!て断ち切る女の意地のみせどころ。 |
余韻 (よいん) |
目を閉じるとわたし達を包みこむ想い出のすべて。 |
汗 (あせ) |
静かで激しい時を過ごすと、背に流れる一すじの汗。背から流れ落ちる時に共に流れるのが余韻。 |
情熱 (じょうねつ) |
その想いが砕かれても 今 欲しいと求め合う想い。 |
情念 (じょうねん) |
砕かれた想いが引き戻され長編小説がはじまる煉獄の炎。 |
情事 (じょうじ) |
女の生涯に愛を添えるのが夫の営み。花を添えるのが恋人との情事。 花は散るのが定めと分かって交わすのが情事。 情事のセンスは散り際の美しさ。 |
嫉妬 (しっと) |
愛されない人が愛されている人に抱く敵意。時には殺意より怖い「ねたみ」と言います。愛されている人はなぜか日毎きれいになりますが、嫉みを持つ人は美しくなれません。 |
告白 (こくはく) |
恋に破滅する時にだけ許される行為。その跡には失われたものしかありません。 |
真実 (しんじつ) |
そのようなものは存在しないもの。決して告げてはいけないこと。夫にも恋人にも情夫にも。懺悔は悪魔にしかできません。 |
爪 (つめ) |
どれほど深く激しく愛しても残せない痕。ふるえるほどのつらぬく瞬間でも立てられない爪。大人同士のマナー。 |
面影 (おもかげ) |
何気ない風景。サビのメロディ。 眠りに就く前のひととき。 唐突に思い出す大切な人の伏せた睫毛の風情まで… そんな恋しさを伴う人影。 |
背徳 (はいとく) |
想いにひたむきに向かうこと。 昨日の自分とは異なること。 畏れに目を瞑り飛びこむこと。 |
愛撫 (あいぶ) |
ほしいと思う気持ちが指先にあらわれて、思わず手が伸びて愛の手当てをすること。同時に感じること。 |
契り (ちぎり) |
心だけでも、あるいは、身も心もお互いを行き来すること。その時に傷つけないと交わす約束。 最近は暴露合戦する野暮な人が多くて。 粋な女性は化けて出る? |
仮初 (かりそめ) |
その場かぎりのこと。でもね、綿あめを食べると舌の上でとけてしまうけれど、たしかに味わいもしたし、甘い匂いも残っている。 仮初めの恋もたしかに胸の奥で1度はとけている。 仮初めと想わなければ切ない場合の恋もあります。 |
黄昏 (たそがれ) |
誰そ?(だれそ?あなたはだあれ)、と夕闇のなか、見えづらい相手に訊いたことから夕方の薄暗くなる時間を「たそがれ」と云います。 人生の黄昏は何時くらいでしょう。 だあれ?と問い、あなただったのと確認し、たそがれ時をしっとり歩くのも悪くないかもね。 |
逢瀬 (おうせ) |
「逢いたい」一心で二人だけの空間を確保すること。視線が絡みあい、首に腕を絡ませても、すぐに別れがくるほど短い時間。 それでも逢わない23時間より、逢っている5分がきらめいている男と女の二人だけの時間。 レッスン:逢瀬を重ねる→昨日逢ったばかりなのに、今日も逢い、今夜も逢うほど何度も魅かれあって逢うことよ。 |
堪能 (たんのう) |
髪のひとすじ、左の手の小指の爪の先、背すじにまでも想いが染みわたり、脊髄まで充たされるほどの充実を感じること。 |
色恋 (いろこい) |
きっと、愛しているんだわなどと思いこむのは、ただの恋。 残り香のように匂いたつ艶やかな時を過ごせる大人の恋のこと。 |
艶聞 (えんぶん) |
ちょっと大人のいい男、いい女になるための必須アイテム。詰めが甘いのは醜聞(スキャンダル)よ。 へたな火遊びをすると「ゴシップ」に火がつきます。 |
お洒落なタイトル you don’t know what love is 恋の味をごぞんじないのね |
JAZZのタイトル。 恋の味をすこし知ったら、 次は how to loveをレッスンしなくちゃね。 恋の初心者は恋のはじまりの予感に酔って、恋が始まります。 中級者は恋の終りの覚悟を受け容れて、恋が始まります。 上級者は恋の始まりも終わりも見せずに、恋を堪能しています。 |